「増産すればいいではないか」という声も聞こえるが、事態はそう単純ではない。コロナ禍の終息後、国内のマスク生産ラインの多くは稼働を停止、あるいは縮小された。多くのメーカーはコスト削減のため、再び生産拠点を海外(主に東南アジア)へとシフトさせていたのだ。
さらに、2026年現在の円安基調と原油高に伴う不織布の原材料費高騰が、メーカーの腰を重くしている。急激な増産体制を整えるには多大なコストがかかるが、この黄砂と花粉のブームが去れば再び赤字在庫を抱えるリスクがあるため、各社とも慎重な姿勢を崩していない。