新しい店ばかりが目立つわけではない。大橋の奥深さは、昭和から続くレトロな純喫茶が今なお現役で暖簾を守り続けている点にある。重厚な革張りのソファ、カチカチと時を刻む柱時計、そしてサイフォンから立ち上るコロンビアの甘い香り。
そうした老舗の数メートル先には、タップから窒素ガス入りの水出しコーヒー(ナイトロブリュー)を注ぐZ世代の最先端スタンドが店を構えていたりする。新旧が互いを排除するのではなく、ごく自然に隣り合い、豊かなグラデーションを成している。新旧の珈琲人が互いをリスペクトし合う空気感こそ、大橋という街が持つ最大の包容力だろう。