開門の合図とともに、目指す座席へと一目散に駆け出すファンの群れ。指定席の抽選倍率は今年も数十倍に跳ね上がり、スマートフォンの画面を握りしめた人々が一喜一憂していた。スタンド内を歩けば、親から子へと受け継がれてきた観戦の思い出を語る老ファンの姿がある一方で、SNSでリアルタイムの熱気を発信する若い世代の姿も目立つ。
府中市内の大國魂神社近くにある老舗そば屋の店主は、汗を拭いながらこう語る。「この週末は街全体が競馬一色になるんだ。ダービーの日だけは、府中が世界の中心になったような錯覚すら覚えるよ」。競馬場を中心としたコミュニティの繋がりは、時代が変わっても色あせることがない。