ロンドン、香港、そしてジュネーブ。世界主要都市のオークションルームでは、ヴィンテージの「DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)」が登場するたびに緊張が走る。1本数千万円という常軌を逸したハンマープライスは、もはや珍しいニュースではなくなった。
世界的なインフレーションと主要通貨の変動の中で、現物資産への資金逃避が進んでいる。不動産や絵画と並び、究極の「持ち運び可能なオルタナティブ資産」としてワインが再評価された結果だ。とりわけ、状態が完璧に保証されたドメーヌ直送のバックヴィンテージは、富裕層にとって最強のステータスシンボル兼ポートフォリオの一部となっている。投機マネーの流入に対し、愛好家からは「飲むためのワインが金庫に眠る」と嘆く声も聞こえてくる。