盛岡の強みは、都市の規模感にある。新幹線が止まる盛岡駅から北上川の観覧エリア、そして歴史ある紺屋町や中津川の古い街並みまで、すべてが徒歩圏内に収まるのだ。
「世界で行くべき場所」として知られて以来、国際的な認知度は高まり続けている。しかし、ただ観光客が増えただけではない。昼は歴史あるカフェで深煎りコーヒーを味わい、夕刻には川沿いを歩いて花火会場へ向かう。そして打ち上げが終わった深夜には、盛岡名物のじゃじゃ麺や冷麺の暖簾をくぐる。このような「歩ける街」ならではの回遊性が、花火大会の前後を上質な旅行体験へと引き上げている。
「どこへ行くにも車が要らない。こんなにゆったりと大スケールのイベントを楽しめる都市は、ヨーロッパを探しても珍しい」。フランスから訪れた外国人旅行者は、中津川の橋の上から提灯の灯りを眺めつつ、笑顔を見せた。