今年の興行収入チャートを牽引しているのは、相変わらずの圧倒的な強さを見せる国産劇場版アニメだ。前作の記録を大幅に塗り替える勢いで観客を動員し、公開から数ヶ月が経過してもなおロングランを続けている。物語の密度だけでなく、作画と音響のクオリティが年々次元違いの域へと達している点が、リピーターを惹きつけてやまない理由だろう。
一方で、海外の実写ハリウッド大作や欧州の映画祭受賞作も指をくわえて見ているわけではない。AI技術を駆使したかつてない視覚効果や、人間ドラマの原点に立ち返った重厚なサスペンス作品が、映画通の期待を鮮やかに裏切る形でヒットを飛ばしている。邦画アニメの勢いと、海外実写映画の牙城守備。この両者が火花を散らすことで、劇場ラインナップは近年稀に見る豊潤さを獲得している。