猫の尻尾が短くなる理由は、実は種類によって遺伝的な仕組みが全く異なる。近年の遺伝子解析技術の進化により、その差異がより明確になってきた。
ジャパニーズボブテイルの短い尻尾は「HES7」という特定の遺伝子の変異によるもので、劣性遺伝(不完全優性)の特性を持つ。幸いなことに、この遺伝変異は脊椎の全体的な異常を引き起こしにくく、健康上の重篤な障害に直結することは少ないとされている。
一方、イギリスのマン島原産である「マンクス」の無尾・短尾遺伝子は優性遺伝であり、ホモ接合体(両親から同じ遺伝子を受け継ぐ状態)になると致死性を持つことが知られている。無理な繁殖は「マンクス症候群」と呼ばれる脊髄障害を引き起こすリスクがあるため、倫理的なブリーディング管理が強く求められているのだ。