労働契約法の改正に伴う「無期転換ルール(通称:10年ルール)」も、彼らを追い詰める要因となっている。研究職の場合、通算10年を超えて勤務すれば無期雇用への転換を請求できる権利が発生する。しかし、大学側はこの義務を回避するため、あえて9年目や5年目の節目で契約を打ち切る「雇い止め」を頻発させている。
「次のポストが見つからなければ、来月から無職になる」。そう語る30代後半の男性特任助教は、研究に没頭すべき時間を、履歴書の作成と次の公募への応募に費やしている。優秀な業績を上げているにもかかわらず、制度の網の目に引っかかり、キャリアの梯子を外されるケースは後を絶たない。