SNSやネット掲示板を検索すると、「クレーン現象が見られたら自閉症確定」「指差しをしないのは愛情不足」といった過激な言説が散見されます。しかし、臨床現場の医師や公認心理師はこうした短絡的な結びつけに警鐘を鳴らしています。
クレーン現象とは、自分の手が届かない場所にある物を取ってほしい時などに、保護者の手首や腕を掴んでその対象物へ押し当てる行動を指します。ネット上では「親を道具としか見ていない冷徹な兆候」と誤解されがちですが、発達心理学的には「言葉や身振りによる表出が追いついていない子どもが、何とか自分の要求を伝えようとする必死の伝達手段」です。他者への働きかけ自体は存在しているため、頭ごなしに禁止するのではなく、「取って、だね」と正しい言葉と身振りをモデル提示してあげることが適切な対応となります。
また、指差しをしない原因とネットの反応を検証すると、単に指差しの発達順序が緩やかなケースから、視覚認知の未熟さ、聴覚優位で物事を捉えているケースまで様々です。「指差しをしない=重篤な障害」と決めつけるネットの言説に過剰に怯える必要はありません。ただし、呼名反応の欠如や他児への無関心が併発している場合は、専門機関による観察を受けることが推奨されます。