現場で命を張る実務家であると同時に、高度な学問的バックボーンを持つ研究者である点も永井氏の大きな特徴です。1991年、神奈川県に生まれた永井氏は、早稲田大学教育学部複合文化学科に進学しました。
転機となったのは大学1年生だった2011年です。東日本大震災のボランティアに関わる中で、ふと目にした「世界で最も危険な国」ソマリアの飢饉と紛争の惨状に衝撃を受けます。「誰も行かないなら自分がやる」という強い衝動に突き動かされ、同年に前身組織となる「日本ソマリア青年機構」を学生有志で立ち上げました。
現場の活動と並行して、紛争解決の専門知識を深めるためにイギリスの名門ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)修士課程(紛争研究)へ進学・修了。帰国後は早稲田大学大学院社会科学研究科にて博士課程を修了し、博士(社会科学)の学位を取得しました。直感的な熱意だけで危険地に飛び込むのではなく、国際関係論と社会調査法を徹底的に叩き込んだ「実践と理論のハイブリッド」こそが、彼の活動を支える揺るぎない土台となっています。