幼虫がすでに木全体に分散してしまった場合は、薬剤による化学的防除が必要となる。イラガ類が特に好む樹種は、カキノキ、サクラ、ウメ、ケヤキ、モミジなど多岐にわたる。特に果樹であるカキノキへの散布は、収穫時期や使用基準への配慮が不可欠だ。
即効性を求める場合、造園現場で広く使用されているのがスミチオン乳剤などの有機リン系殺虫剤だ。幼虫に直接薬剤が触れることで素早いノックダウン効果を発揮する。一方、樹高が高く薬剤散布が難しい庭木や、長期的な予防効果を狙う場合は、浸透移行性を持つオルトラン水和剤の散布が極めて有効となる。散布にあたっては、農林水産省が定める農薬使用基準とラベルの希釈倍率を厳格に遵守し、風のない早朝や夕方の時間帯を選んで作業を行うことが安全管理の基本だ。