舟下りの興奮を味わった後は、歴史情緒あふれる鬼怒川温泉の街並みをゆっくり散策するのが王道のコースだ。江戸時代、徳川家康を祀る日光東照宮の参詣客や僧侶・大名のみに入湯が許されていたという格式高い歴史を持つこの温泉地は、今も変わらぬ温もりで旅人を迎えてくれる。アルカリ性単純温泉のやわらかな湯は、川下りのスリルで心地よく緊張した身体を芯から解きほぐすのに最適だ。
また、この地は大正ロマンを代表する画家・詩人である竹久夢二が足繁く通い、数々の作品を着想した地としても知られている。渓谷の静けさと温泉街の情緒は、時代を超えて多くの表現者や旅行者の感性を刺激し続けてきた。名物の温泉饅頭を味わいながら夢二ゆかりの史跡やギャラリーを巡れば、旅の深みが一気に増すはずだ。