ネット上の掲示板やSNSでは、センセーショナルな言説が事実を覆い隠してしまうケースが後を絶ちません。その典型が「自己責任論」で片付けられがちな子どもの貧困問題です。厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、子どものおよそ9人に1人が相対的貧困の状態にあります。ひとり親世帯に限ればその割合は半数近くに達します。
子どもの貧困問題に対するネットの反応を検証すると、「親の努力不足」「スマホを持たせる余裕があるなら貧困ではない」といった無理解に基づくバッシングが散見されます。しかし、困窮支援の最前線を取材すると、衣食住の不足だけでなく、教育機会の喪失、体験活動の欠如、さらには栄養バランスの偏りによる発育障害など、「見えにくい貧困」が固定化している現実が見えてきます。
こうした国民生活の痛みに対して、政治指導層がどのような姿勢を示してきたのか。有権者の怒りを決定づけたのが政治資金問題の経緯です。派閥のパーティー券収入を巡る裏金疑惑や政治資金収支報告書の不記載は、法改正の議論を経てもなお「身内の処分が甘い」「透明性が確保されていない」との批判が渦巻いています。国会議員が巨額の不透明な資金を温存する一方で、一般市民には増税や社会保険料の上乗せが求められる不条理。この強烈なコントラストが、政治に対する致命的な不信感と社会全体の閉塞感を決定づけています。