さわらを調理する際、インターネット上のレシピ情報で散見されるいくつかの「誤解」には注意が必要です。
典型的な誤解の一つが、「さわらは白身魚だから長時間しっかり火を通しても固くならない」という思い込みです。さわらは見た目こそ白い身をしていますが、前述の通りサバ科に属する赤身・青魚の性質を持っています。タンパク質が凝固し始める温度帯を超えて過剰に加熱すると、水分が一気に抜けてパサつきの原因となります。弱火の蒸し焼きや短時間の揚げ調理で、しっとり感を逃さない火加減が欠かせません。
また、「鮮魚コーナーで買えばどんな状態でも臭みはない」という油断も禁物です。さわらは身が柔らかく鮮度低下が早いため、ドリップ(肉汁)が出ているものは避け、身に透明感と弾力があり、皮の斑紋が鮮明なものを選定することが、調理以前の絶対条件となります。