漢方医学において、血のめぐりが滞り、体の一部に血液が停滞している状態を「瘀血(おけつ)」と呼ぶ。手足の冷え、下腹部の張り、目の下のクマ、頭重感——これらはすべて瘀血が発するSOSサインだ。桂枝茯苓丸は、桂皮(ケイヒ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桃仁(トウニン)、芍薬(シャクヤク)という5つの生薬で構成されており、滞った血を散らし、巡りをスムーズにする代表的な「駆瘀血剤(くおけつざい)」である。
2026年現在の最新医学研究では、この5生薬のシナジーが毛細血管の内皮細胞に働きかけ、血小板の凝集を抑えるとともに血管の弾力性を保つ効果を持つことが画像解析技術によって可視化されつつある。かつては経験則として語られていた伝統医学の知恵が、客観的な血管バイオマーカーの数値として裏付けられ始めている点は見逃せない。