当時の乗車記や関係者の証言を振り返ると、100系は「移動そのものが至福の体験」だった時代を克明に物語っています。食堂車では、予約が殺到するディナータイムに流れる夜景を眺めながらワイングラスを傾けるビジネス客や家族連れの姿が日常でした。
SNSや鉄道コミュニティに寄せられる回顧録でも、「出張時に奮発して使った1人用個室は、まるで走る書斎のようで誰にも邪魔されない至高の空間だった」「子供の頃、2階建ての階段を登って入った食堂車のワクワク感は今でも忘れられない」といった熱い体験談が数多く語り継がれています。
一方で、運行現場では別の現実もありました。食堂車は調理用資材の積み込みや専任スタッフの確保が必要で運用コストが極めて高く、バブル崩壊以降はビジネス客の「少しでも早く目的地に着きたい」という時短志向へのシフトが急速に進んでいったのです。