唯一無二の芸風を持つ三遊亭白鳥は、いかにして誕生したのでしょうか。その原点は、新潟県上越市(旧高田市)で過ごした少年時代にまで遡ります。自然豊かな雪国で培われた豊かな想像力と人間観察眼は、のちに紡ぎ出される多彩な物語の土壌となりました。
日本大学芸術学部文芸学科に進学した白鳥は、創作の基礎を学ぶ中で物語を紡ぎ出す面白さに目覚めます。その後、新作落語のパイオニアであり、落語界の構造改革を叫んでいた師匠・三遊亭圓丈の門を叩いたのは1987年のことでした。当時、前座名「にゅう丈」として修業を開始した白鳥にとって、圓丈の存在はまさに人生の羅針盤となります。
師匠・圓丈は弟子の個性を徹底的に尊重し、「他人の真似をするな、自分の言葉で喋れ」と新作落語の創作を強く推奨しました。厳しい修業生活の中で白鳥は独自の感性を磨き上げ、1992年に二ツ目へ昇進して「白鳥」へと改名。2001年には真打昇進を果たし、落語界きってのストーリーテラーとしての確固たる地位を築き上げました。