警察組織を社会学および組織人事論の視点から俯瞰すると、このピラミッドは極限まで無駄を削ぎ落とした「官僚的階層化(ビューロクラシー)」の産物です。就職や転職、あるいは治安行政の観察において、どちらの門を叩くべきか、あるいは評価すべきかは明白な指標が存在します。
警察庁(霞が関・国家キャリア)に挑戦すべき人物像
治安という社会基盤のグランドデザインを国家レベルで引き、国際テロ対策、サイバー空間における法制化、巨大な国家予算の配分に関わりたい政策志向の頭脳派です。現場で犯人の腕に手錠をかける快感よりも、国会答弁書の作成や官邸との折衝、法制度の一行を変えることで数千万人を守るという抽象度の高い権力意識に耐えられる適性が求められます。反面、現場での人間味あふれる刑事捜査に憧れてこの門を叩くと、一生ペーパーワークに追われる官僚生活に強いリアリティ・ショックを受けることになります。
警視庁(桜田門・実践部隊)を目指すべき人物像
理屈よりも現場の事実に立ち向かい、被害者の涙をぬぐい、自分の足で犯人を追い詰めたいという強固な実践家です。上命下服の強烈な階級社会、宿直や突発的な呼び出しに耐えうる肉体的なタフネスが不可欠となります。キャリア組に対する嫉妬や不条理を経験するリスクはありますが、事件を解決した瞬間に直に得られる達成感と現場警察官としての尊厳は、書類仕事中心の中央省庁では決して味わえない固有の財産と言えます。