中房温泉へ向かう上で最大の関門となるのが、アクセス道路の環境と駐車スペースの確保です。インターネット上では「中房温泉はマイカー規制されているのか?」という疑問が散見されますが、上高地のような通年の一般車進入禁止(マイカー規制)は実施されていません。ただし、物理的な制約が極めて大きい点に注意が必要です。
アクセスルートである長野県道327号槍ヶ岳矢村線は、安曇野市街地を抜けると道幅が急激に狭まり、すれ違い困難なブラインドカーブや落石注意箇所が連続します。マイクロバス以上の大型車両は通行禁止となっており、運転初心者にとっては精神的負担の大きい山岳道路です。
さらに深刻なのが駐車場の混雑状況です。登山口周辺には安曇野市が管理する市営第1・第2・第3駐車場(合計約120台・無料)と、中房温泉利用者専用の駐車場が整備されていますが、夏山ピーク期や9月〜10月の紅葉シーズンの週末には、金曜日の深夜2時〜3時台の時点で市営駐車場が完全満車になる事態が常態化しています。
満車時に路上駐車を行うと緊急車両や定期バスの運行を妨げるため、厳格なパトロールと取り締まりが行われています。確実に現地へ到着するためには、JR大糸線の穂高駅周辺にある有料駐車場や臨時駐車場に車を停め、そこから運行されている定期バス(南安タクシー・安曇野観光タクシー共同運行)または乗合タクシーを利用するのが賢明な選択肢です。