石破茂氏の知性や雄弁さ、そして独自の道徳観の礎となっているのが、母・石破和子(かずこ)氏とその生家である金森家の血統です。和子氏は国語の高校教員を務めていた教養人で、幼少期の茂氏に毎日偉人伝を読み聞かせるなど、極めて厳格な情操教育を行いました。
この和子氏の曽祖父にあたる人物が、近代日本キリスト教界の巨人として歴史の教科書にも登場する金森通倫(かなもり つうりん)氏です。熊本洋学校で学び、新島襄とともに同志社の設立期を支えた「熊本バンド」の主要メンバーの一人として知られています。
金森通倫の長男であり、石破氏の母方の祖父にあたる金森太郎氏も東京帝国大学を卒業後に官僚の道を歩み、戦前の内務省や農林省で要職を務めました。さらに親族にはジャーナリストとして活躍した鈴木文史朗氏など錚々たる顔ぶれが並びます。
石破茂氏自身も、18歳の時に鳥取の日本基督教団鳥取教会で洗礼を受けたプロテスタントのクリスチャンです。靖国神社参拝問題への慎重な姿勢や、徹底して筋を通そうとする独特の政治哲学の背景には、この曽祖父から続くキリスト教精神が深く根づいています。