清水尚弥のキャリアを語る上で欠かせない転換点となったのが、2010年公開の中島哲也監督による映画『告白』です。松たか子演じる女性教師が娘を殺害した生徒たちに復讐を仕掛ける本作は、興行収入38.5億円を超える大ヒットを記録しました。
生徒役として参加したオーディションは数千人規模の熾烈な選考が行われましたが、清水尚弥はその中で鋭い眼光と危うい少年性を発揮し、クラスメイトのひとりとしてキャスティングされました。画面の片隅に映るだけでも観る者の不安を掻き立てるその佇まいは、「あの中学生役の少年は誰なのか」と映画ファンや映画関係者の間で大きな話題を呼びました。
当時15歳前後だった清水尚弥が見せた表現は、いわゆる「典型的な明るく元気な子役像」とは対極に位置するものでした。言葉を発さずとも、視線の揺らぎやわずかな口元の強張りだけでキャラクターの心理的暗部を表現する技術は、この子役時代からすでに完成されつつあったといえます。