「生おからの料理はどうしても口の中の水分が奪われる」という不満は、調理科学の観点から明確に説明がつきます。生おからの主成分であるセルロースなどの不溶性食物繊維は、自重の数倍もの水分を強固に吸い込む性質を持っています。挽肉や野菜とそのまま混ぜ合わせると、具材が持つ旨味エキスや水分を容赦なく吸い取ってしまい、結果としてボソボソとした食感に仕上がってしまうのです。
この失敗を回避し、パサつかない理由と下処理の鍵となるのが、「生おからにあらかじめ水分と少量の油脂を含ませておく」という下準備の鉄則です。現場の料理研究家や大手料理サイトの検証でも推奨されている基本ステップは次の通りです。
まず、購入した生おからを耐熱ボウルに広げ、ラップをかけずに電子レンジ(600Wで約1分30秒〜2分)で加熱します。このひと手間で余分な雑菌の繁殖を抑えつつ、独特の青臭さを揮発させます。取り出した熱々の生おからに対し、牛乳、豆乳、あるいはぬるま湯で溶いた鶏ガラスープを「生おから100gに対して大さじ3〜4」程度加え、フォークで切るように混ぜ合わせます。
さらに、マヨネーズ小さじ1や植物油小さじ1/2などの油脂分をここで馴染ませておくのが最大の秘訣です。食物繊維の繊維質を油膜と水分がコーティングするため、肉だねに混ぜても肉汁を吸いすぎず、驚くほどふっくら柔らかな口当たりへと劇的に変化します。