実話をもとに制作された映画作品であるが、スクリーンの演出と実際の出来事にはいくつかの大きな違いが存在する。実在の事件ではペットショップが舞台であったのに対し、映画では巨大な熱帯魚店へと設定が変更されている。水槽を泳ぐ色鮮やかな熱帯魚と、店内で繰り広げられる惨劇のコントラストが、観客の精神的な恐怖を増幅させている。
また、主人公の家族関係や極限状態に追い詰められていく心理的プロセスは、映画ならではのドラマチックな脚色が施された部分だ。現実の被害者たちは、自らが巻き込まれている事態の異常性に気づく間もなく命を奪われていった。映画は実話の持つグロテスクな骨組みを継承しつつ、心理スリラーとしての完成度を高める改変を行っている。