映画『涙そうそう』の根底を支えているのは、実力派俳優陣による魂のこもった演技です。主人公の新垣洋太郎役を務めた妻夫木聡は、妹のために身を粉にして働き続ける心優しき兄の生き様を泥臭くも清々しく演じ切りました。トレードマークとなった「泣くのをこらえるために鼻をつまむ仕草」は、多くの観客の涙腺を刺激しました。
一方、血の繋がらない妹・カオル役を演じた長澤まさみは、兄への憧れと家族としての葛藤を瑞々しい透明感とともに体現しています。さらに麻生久美子、塚本高史、小泉今日子といった実力派キャストが脇を固め、沖縄の美しい自然と過酷な現実の中で交錯する人間ドラマに確かな説得力を与えました。この二人が織りなす切なくも温かい絆のシーンに『三線の花』が重なる瞬間は、日本映画史に残る屈指のエモーショナルな名場面として知られています。