適切な指導を行うためには、従業員が無断で残業を重ねてしまう根本的な動機と現場環境を把握しておく必要があります。勝手に残業する心理には、主に以下の4つのパターンが存在します。
第1に、「真面目さと責任感の裏返し」です。自分の担当作業を途中で投げ出すことに強い抵抗があり、「次のシフトの人に迷惑をかけたくない」「今日中に終わらせておきたい」という善意から居残るケースです。
第2に、「少しでも給与を増やしたい経済的な思惑」です。1回あたり15分〜30分程度の残業であっても、月単位で見れば数千円から数万円の収入増につながります。シフトの枠以上に対価を得ようとして、意図的に作業ペースを落として残業を常態化させるケースも現場では散見されます。
第3に、「業務量の過多と割り振りの不備」です。本人の処理スピードに対して課されている業務量が客観的に多すぎる場合、残業せざるを得ない構造に追い込まれている可能性があります。この場合、個人の問題ではなくマネジメント側の責任が問われます。
第4に、「時間管理への意識の希薄さ」です。職場の人間関係が良好であるがゆえに、業務終了後も片付けを口実に同僚と雑談を続け、そのままタイムカードの打刻が遅れるといったルーズな環境が原因となっている場合もあります。