内閣府や法務省が公表してきた意識調査データを見ると、死刑制度の存続を容認・支持する回答は一貫して8割前後の高水準を維持している。反対派や海外からの批判が強まるなかでも、なぜこれほど強固な支持が維持されるのか。そこには明確な実証的・現実的根拠が存在する。
第一の根拠は、凶悪犯罪に対する精神的抑止力だ。命を奪えば自らの命で白日に晒されるという明白な帰結が、重大な凶行に対するブレーキとして機能しているという見解だ。第二に、過酷な事件に対する社会的納得感の担保である。極悪非道な犯罪者が罪に見合わない軽い刑罰で済まされる社会では、法の正当性そのものが揺らぎかねない。法務省の各種データや世論の動向は、過半数の市民が「極限の犯罪には極限の責任」という均衡を求めている実態を強く示している。