鶏1羽から採取できるぼんじりの量は、わずか数グラムから数十グラム程度。焼き鳥の串1本を作るためには、鶏数羽分のお尻を集めなければならない計算だ。この絶対的な希少性こそが、かつて居酒屋で「限定メニュー」として重宝されてきた最大の理由である。
「昔は精肉の解体現場で捨てられてしまうこともあった部位ですが、今は引っ張りだこですよ」と、東京・目黒で老舗焼き鳥店を営む店主は語る。効率重視の大規模精肉工場では解体に手間がかかるため、流通量が限られていた背景もある。しかし2026年現在、精密な自動部位選別技術と熟練職人の手技が融合したことで、上質なぼんじりが新鮮な状態で市場に届くようになった。