客観的な数値データと心理学的見地から分析すると、噂が形成される構造はより明確になります。一般的な20代〜30代の交際カップルにおける年間自然破局率は、民間調査やブライダル総研などの交際動向データにおいて年間およそ30〜40%前後にのぼります。つまり、出雲大社を訪れようが訪れまいが、交際中の二人が一定期間内に別れる確率は統計的に決して低くありません。
人間には、自分が気になっている情報や印象的な出来事だけを選択的に結びつけて信じ込む「確証バイアス」という心理傾向があります。「出雲大社へ行った後に別れた」という事例は、聖地としてのネームバリューがあまりに巨大であるため強烈な記憶として残り、「出雲大社に行ったから別れたのだ」と因果関係を取り違えて認知されやすいのです。東京ディズニーランドや井の頭公園のボートなど、デートの定番スポットに決まって「別れるジンクス」が付きまとうのと同一の心理現象です。
さらに見逃せない要因が「長距離移動に伴う旅行摩擦」です。東京や大阪などの都市部から出雲大社へ向かう場合、飛行機(出雲縁結び空港)の利用や、新幹線から特急「やくも」への乗り継ぎ、あるいは長時間の高速道路運転(宍道IC等経由)を伴います。移動疲れや天候不良、食事やスケジュールの段取りを巡る意見の食い違いなど、極限状態で相手の金銭感覚や危機管理能力、思いやりが露呈します。長距離旅行自体が「二人の関係性を試すリトマス試験紙」として機能した結果、潜在的な不満が爆発して破局に至るケースが極めて多いのです。