「母乳は赤ちゃんを産んだ瞬間に勢いよく噴き出すもの」というイメージを持たれがちですが、生化学的には段階的なステップを踏んで分泌に至ります。母乳いつから出る経緯を理解する上で欠かせないのが、妊娠中から産後にかけてのホルモン動態です。
母乳を作る指令を出すホルモン「プロラクチン」は、実は妊娠中期(16週前後)からすでに脳下垂体から大量に分泌されています。しかし、妊娠中は胎盤から分泌される高濃度のエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)が乳腺への作用を強力にブロックしているため、本格的な分泌は抑制されています。この時期に妊娠中 母乳 にじみ出る現象を経験する妊婦がいますが、これはホルモンの隙間を縫ってごく微量のプレ初乳(前駆母乳)が分泌されたものであり、生理学的に極めて自然な現象です。
本格的な分泌のスイッチが入るのは、出産によって胎盤が体外へ排出された瞬間です。乳腺を抑え込んでいたエストロゲンとプロゲステロンの血中濃度が一気に急降下し、プロラクチン 分泌メカニズムのブレーキが解除されます。このホルモン変化を合図に、乳腺組織が急速に活性化を始めます。
多くの経産婦や初産婦が体感する母乳 出始める前兆 サインとしては、以下のような身体の変化が挙げられます。
- 妊娠8〜9ヶ月頃から乳首の周りが黒ずみ、乳輪の皮脂腺(モンゴメリー腺)が発達してくる
- 乳房全体が重く感じられ、チクチクとした軽い熱感やつっぱり感を覚える
- 入浴後や下着との摩擦時に、透明〜黄色っぽい粘り気のある液体が数滴にじみ出る