長男であり、タレントや野球解説者として活躍する長嶋一茂氏もまた、この田園調布の家で育った。庭の片隅からは、かつて少年時代の一茂氏が父の背中を追ってバットを振り続けた素振りの音が響いていたという。
読売ジャイアンツの偉大なスーパースターを父に持つ重圧は、並大抵のものではなかった。メディアの容赦ない視線にさらされながらも、家庭内では意外にも穏やかでユーモラスな父親であったと伝えられる。家族を守るための強固な砦であり、同時にどんな激しいプレッシャーからも解放される唯一のシェルターだったのが、この田園調布の私邸であった。