長崎カステラの名声を世界に知らしめた根幹には、三大老舗と呼ばれる巨頭の存在があります。1624年(寛永元年)創業の福砂屋は、一切の機械を使わず、職人が卵の泡立てから焼き上げまでを一貫して手作業で行う伝統技法を守り続けています。底にシャリッと残るザラメ糖の食感は、手技ならではの偶然と計算が生み出す芸術です。
一方、1900年創業の文明堂総本店は、専用の契約農場から届く新鮮な卵を使用し、しっとりとした繊細な生地感と上質な甘さを追求してきました。そして1681年創業の松翁軒は、元祖チョコレートカステラ「チョコラーテ」を生み出すなど、長い歴史に甘んじることなく新しい味覚に挑み続ける探求心で知られています。