日本全国を見渡すと、二年参りという言葉の浸透度と実践率には著しい「東西の地域格差」が存在します。
民俗学の調査報告や各神社庁の史料によると、二年参りが圧倒的な定着を見せているのは長野県、新潟県、群馬県、福島県を中心とする甲信越・北関東・東北南部エリアです。これらの寒冷地では、長野県の善光寺や新潟県の弥彦神社などを筆頭に、大晦日の深夜から元旦にかけて信徒が一堂に会する熱気ある光景が日常となっています。地域の氏子会幹部は次のように実情を語ります。
「この地域では大晦日の夕飯に年越しそばを食べた後、23時を回ると家族総出で氏神様へ向かうのが代々の決まりです。『二年参りに行かないと年が明けた気がしない』という住民が圧倒的多数を占めます」(信越地方の神社関係者談)
一方で、近畿圏や西日本エリアでは「二年参り」という言葉自体を用いず、大晦日は自宅で静かに過ごし、元旦の朝や三が日の晴れ間に「初詣」として出かける文化が根強く残っています。関西で年越し参拝を行う層は、主に八坂神社の「をけら詣り」や知恩院の「除夜の鐘」など、寺社固有の特別神事・仏事を目指すケースが目立ちます。
また、現場検証において看過できないのが大晦日深夜の局所的な大混雑です。年越し直前の23時30分から元旦1時00分までの約90分間に人流が一極集中するため、境内の狭い小規模な神社では参道から路上まで長い待機列が形成されます。防寒対策の不備による体調不良者や、凍結路面での転倒トラブルが多発する時間帯でもあるため、足元の装備には十分な警戒が求められます。