一見すると滑稽な「空中浮遊」という嘘は、笑い話では済まされない破滅への第一歩でした。
自らを「空中浮遊を成し遂げた唯一無二の最終解脱者」と位置づけた麻原は、教団内部での絶対的な神格化を急速に進めました。教祖への絶対服従を絶対条件とする狂信的な教義は、やがて「救済のためなら殺人も許される」とするポアの教義へとエスカレートしていきます。
1989年の坂本堤弁護士一家殺害事件を皮切りに、教団は自動小銃の密造や化学兵器サリンの生成へと暴走。1994年の松本サリン事件、そして1995年3月20日に引き起こされた地下鉄サリン事件により、多数の無辜の市民が命を奪われ、今なお重い後遺症に苦しむ被害者を出す未曾有の大惨事へと至りました。
小さな「超能力詐欺」を容認し、カルト的な嘘を放置した結果が、国家転覆を企てる無差別大量殺人テロへと直結した事実は、歴史上極めて重い教訓を残しています。