小中学校の書道科教員や文字指導の専門家への取材によると、子どもから大人まで「義」を書く際に最もペンの動きが乱れるのは、上部から下部へと視線が移動する「第6画から第7画の接続部」です。
単体の漢字「我(わが・われ)」を書くとき、私たちは無意識にバランスを取りながら7画で書きますが、「義」の内部パーツとして組み込まれた瞬間、上部の「羊」に圧迫されて「我」の横幅や高さの感覚が狂ってしまいます。
「我」単体と「義」に含まれる「我」の筆順は、まったく同一のストローク順です。パーツ単体で見れば違いはないにもかかわらず、複合漢字になった途端に書き順を間違えてしまうのは、「漢字を部分の集合体ではなく、輪郭の図形として認識してしまう」という人間の認知特性によるものです。パーツごとに分解し、「羊」を完成させてから独立した気持ちで「我」に向き合う意識が正確な筆記を生みます。