そもそも、なぜ洋菓子の容器がこれほど頑丈で、リユースに耐えうるのか。その秘密は容器そのものの生い立ちにある。有限会社マーロウの創業者である白銀正英が1984年の創業当時、看板メニューであるカスタードプリンを均一かつ理想的な火加減で焼き上げるために選んだのが、理化学用ガラス器具のトップメーカー「AGCテクノグラス株式会社」が手がける「iwaki」ブランドの耐熱ビーカーだった。
家庭用オーブンや蒸し器の熱ストレスに耐え、熱伝導率が安定していること。そして、食べたあとも計量カップや日用品として長く愛用できること。白銀氏の妥協なきこだわりが生んだこの容器は、アメリカのハードボイルド小説に登場する私立探偵フィリップ・マーロウの肖像画とともに、ブランドの象徴となった。理化学クオリティの堅牢性があるからこそ、数十年を経た現在も確固たるリユース体制が成立している。