なぜ今、Z世代をはじめとする若年層がサブカルチャーに強い情熱を傾けるのか。その背景には、マス化された既製品に対する「自分らしさ」の模索がある。均一化されたSNS上のトレンドに浸る一方で、自分だけの「こだわり」を証明するためのアイコンとして、深みのあるサブカルチャー的文脈が求められているのだ。
同時に、現代特有の時間効率を重視する「タイムパフォーマンス(タイパ)」の意識も無視できない。短時間で濃密な体験や感情の揺さぶりを求める若者にとって、記号化されたメジャー作品よりも、制作者の執念が詰まった濃密な世界観のほうが遥かに価値が高いと捉えられる。ニッチであること自体が、最高にクールなステータスとして受容されている。