裕福な家庭環境に恵まれながらも、親の過度な期待や圧迫感に押しつぶされそうな孤独を抱えていた少年・桐野智志。志田未来演じる主人公・一ノ瀬未希とのあいだに新しい命を宿したとき、彼は怯え、葛藤し、一度は逃避を選びそうになる。この極めて複雑な心の機微を、当時高校1年生だった三浦春馬はあまりにも瑞々しく表現していた。
目線の揺れ、絞り出すような声、青臭さと脆さが同居した佇まい。日本のテレビドラマの歴史を見渡しても、これほどリアルに思春期の「恐怖と責任」を体現した若手俳優は稀有だろう。視聴者は彼の目を通して、事態の重さに慄く一人の少年の生々しい現実を追体験したのだ。