長嶋氏の日常を語る上で欠かせないのが、発症以来一日たりとも休むことなく続けている過酷な機能維持リハビリテーションです。「生涯現役」「グラウンドに戻る」という強烈なプロ意識は、90代を迎えた今も全く失われていません。
理学療法士や専属トレーナーの指導のもと、午前と午後に分けた計画的なリハビリプログラムが組まれています。関節の拘縮を防ぐストレッチから、筋力低下を抑えるマシントレーニング、さらには発声や嚥下(えんげ)機能を保つためのスピーチセラピーまで、そのメニューは現役アスリートさながらの厳しさです。
当時の特番インタビューや自著・手記で語られた『リハビリは苦しいが、諦めたらそこで終わり』という生の告白通り、弱音を一切吐かずにメニューをこなす姿勢に、担当する医療スタッフも感嘆の声を漏らしています。テレビ中継の野球観戦は欠かさず、巨人の勝敗に一喜一憂し、好プレーには左手で力強く拍手を送る姿が日常的に見られています。