結論から言えば、柏餅を包んでいる葉は「食べない」のが本来の作法であり、菓子の設計上の大前提だ。多くの老舗や和菓子製造業に携わる職人たち、そして業界団体である全国和菓子協会も、葉を剥がして餅だけを味わうことを推奨している。
桜餅(特に関東風の長命寺)の桜葉が塩漬けされて柔らかく、餅と一緒に食べることを前提に調味されているのに対し、柏餅の葉はあくまで「包装材」兼「香りづけ」として機能している。職人たちにとって、葉は餅をしっとり保ち、独特の清涼な香りを移すための天然の器なのだ。
口に入れても毒性があるわけではないが、葉脈が強靭で噛み切りにくく、舌触りや喉ごしを損ねてしまう。餅のなめらかな舌触りと上品な甘さを堪能するためには、思い切って葉を外すのが和菓子の美学にかなった味わい方と言える。