1970年代から80年代にかけて、日本テレビの金曜劇場をはじめとする連続ドラマで圧倒的なヒロイン像を確立したのが坂口良子さんだった。名作『前略おふくろ様』での愛らしくも芯のある演技や、西田敏行主演の大ヒット作『池中玄太80キロ』で見せた親しみやすい表情は、視聴者の心を掴んで離さなかった。
卓越した演技力と親しみやすい笑顔でトップスターの座を固めた彼女だったが、その私生活は決して平坦なものではなかった。最初の結婚と離婚、それに伴う多額の負債。過酷な芸能界の第一線で戦い続けながら、幼い子供たちを一人で育てるという重圧が、彼女の肩にズシリと重くのしかかっていたのだ。