テレビやラジオでおなじみのベテラン気象解説者たちも、北海道の気候特性が持つ特異な凶暴性について警鐘を鳴らし続けている。森田正光氏は、低気圧が千島近海で爆弾低気圧化する際の「等圧線の混み具合」に注目し、風雪の急激な立ち上がりに対する初動の遅れを強く戒める。穏やかな晴天からわずか30分で視界ゼロの猛吹雪へと暗転する恐怖は、データ上の数字以上に人間心理の隙を突くからだ。
現場取材を重ねる天達武史氏もまた、気温が氷点下からわずかにプラスへ転じた直後の「濡れ雪」による路面凍結の危険性を熱心に説く。ブラックアイスバーンはドライバーの目を欺き、制動距離を極端に伸ばす。予報画面の最高気温・最低気温が0度ラインをまたぐ日こそ、最大の警戒が必要であるという視点は、北国を行き交うすべての人にとって不可欠なリテラシーといえる。