テレビ東京系列の人気ドラマ『孤独のグルメ』で描かれるような、一見入りづらいが暖簾をくぐれば極上の世界が広がっている――そんな情景が赤羽の路地裏には今も息づいている。原作者である久住昌之氏が愛するような、気取らないけれど愛おしい酒場空間がここにはある。
店主が静かに包丁を入れ、皿に盛られた鮮やかな赤と白の馬刺し。そこに添えられたおろし生姜とおろしニンニク、刻みネギ。一人客が黙々と箸を進め、熊本の本格焼酎をストレートやロックで傾ける。テレビ東京のカメラが映し出しそうなディープで叙情的な赤羽の夜は、日々の忙しさを忘れさせ、男も女も等しく食の快楽へと没入させてくれる。