彼の真骨頂とも言えるのが、大人の哀愁と色気を漂わせたキャラクターの造形だ。『新世紀エヴァンゲリオン』における加持リョウジ役は、その最たる例だろう。飄々とした態度の中に、深い洞察力と孤独を秘めた男の魅力を、低音の響きで見事に描き切った。物語の重要な鍵を握る彼のセリフは、多くのファンの記憶に今も深く刻み込まれている。
さらに『カウボーイビバップ』のスパイク・スピーゲル役では、ハードボイルドな美学を極めた。危険と隣り合わせの日常を生きる男の、軽妙な口調の裏に隠された切なさを、計算し尽くされた間と脱力感で表現。加持リョウジやスパイクが見せたあの唯一無二の存在感は、国内外のアニメファンを魅了し続けている。