かつてNHKの人気番組『ブラタモリ』でも取り上げられた通り、別府の地形にはプレートテクトニクスと火山活動が刻み込んだ壮大なストーリーが眠っている。別府湾から内陸へと伸びる断層群に沿って地下深くの熱水やマグマ性ガスが噴出しており、鉄輪温泉一帯はその断層活動のダイナミックな恩恵を直に受けているエリアだ。
鬼石坊主地獄の泥泡は、地下深部から供給される過熱蒸気が地表付近の鉱物粒子を多く含んだ粘土層と混ざり合うことで生じる。単なる温泉観光にとどまらず、地球科学の生きた標本を間近で観察できるジオツーリズムとしての価値が、知的好奇心を刺激する旅人たちの心を捉えて離さない。