バンドの努力が実を結び、「CROSS ROAD」や「innocent world」が爆発的なヒットを記録した1994年、二人は籍を入れた。公私ともに絶頂期を迎えたかのように見えた。
だが、急激なブレイクは二人の関係に静かな歪みをもたらす。桜井は一躍、日本中から注目を浴びるカリスマとなり、プライベートな時間は激減。かつて「一緒に夢を追いかける対等なパートナー」だった関係は、いつしか「スター歌手とそれを支える家庭」というステレオタイプな枠組みに押し込められていった。
過酷なレコーディングスケジュールとツアー、そしてメディアからの容赦ない視線。精神的に追い詰められていく桜井にとって、かつて安らぎだったはずの家庭が、次第にプレッシャーを感じる場所へと変質していったとされる。