ネット上で「成年後見制度はひどい」と悲鳴が上がる最大の原因は、一度始まると本人が死亡するまで絶対にやめられないという制度設計の硬直性にあります。多くの家族は「定期預金を解約して老人ホームの入居一時金を支払いたい」「空き家になった実家を売却したい」といった、目の前の一時的な課題を解決する目的で家庭裁判所に申し立てを行います。しかし、目的を達成したからといって制度の利用を終了させることは法律上認められていません。
成年後見制度をやめたい理由として最も多く挙げられるのが、日常生活における決定権の喪失です。法律上の「法定後見」が開始されると、本人の財産管理権はすべて選任された成年後見人に移転します。たとえ実の子であっても、親の通帳を見ることもできなければ、親の預金から「孫への入学祝い」や「家族での旅行費」を支出することすら、原則として「本人の財産の減少」とみなされて拒否されます。
制度の根底にあるのは「被後見人本人の財産を現状維持で保護する」という徹底した保守思想です。家族の生活や心情、親族関係の維持といった要素は考慮されません。介護のために仕事を辞めた子どもが生活費の援助を求めても、後見人からは「本人の財産を親族の生活費に充てることは法的にできません」と冷淡に突き放される事例が頻発しています。この「死ぬまで続く一方的な財産ロック」こそが、利用者が後悔してやまない成年後見制度のデメリットの核心です。