「雲の形や色によって地震を予知することはできるのか」――この問いに対して、気象庁は公式に明確な否定の立場をとっている。気象庁の公式見解によれば、大気の現象である「雲」と、地殻の変動である「地震」との間に直接的な因果関係を示す科学的データは現在まで存在しない。
それにもかかわらず、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでは、怪しげな赤色の空や波状・放射状の雲が「地震雲」として投稿され、何千回もリツイートされる現象が後を絶たない。人間には「ランダムなパターンの中に意味のある形状を見出してしまう」というパレイドリア効果や偏見の心理が働く。大地震が起きた後に「そういえば数日前に珍しい赤雲を見た」と記憶が結びつけられ、尾ひれがついて拡散するのが SNSの目撃情報の大きな実態だ。