私たちが記憶している初期の高梨沙羅は、ヘルメットの下からあどけない笑顔を覗かせる、まだあどけなさの残る中学生だった。ワールドカップで連勝を重ねていた当時の彼女は、化粧っ気もなく、ただ純粋に遠くへ飛ぶことだけを追い求めているように見えた。
その強烈な初期イメージがあるからこそ、現在の洗練された大人の女性としての姿とのギャップに戸惑う人々が後を絶たない。人間は誰しも成長し、変化する。しかし、メディアが作り上げた「純朴な天才少女」という固定観念が、彼女の自然な変化を受け入れることを難しくさせている側面は否定できない。