救急外来や大病院に対するネット上の低評価には、患者側の認識と医療現場のルールのズレから生じるものが多々あります。代表的な誤解として「早く受付したのに後から来た人が先に呼ばれた」という不満が挙げられます。
救急医療現場では、到着順ではなく生命の危険度や緊急度を判定する「院内トリアージ」が最優先されます。心筋梗塞や脳卒中、重度の外傷患者が救急車で搬送されてきた場合、歩行可能な軽症患者の診察は後回しにならざるを得ません。この医学的優先順位を知らない場合、「不当に待たされた」というネガティブな感情を抱きやすくなります。
また、紹介状を持たずに大病院を受診した際に徴収される「特別の料金(選定療養費)」についても、病院側が独自に課している罰則ではなく、国が定めた大病院と診療所の機能分化を推進するための公的ルールです。仕組みを正しく理解していないことが、過剰な不信感へとつながっているケースが少なくありません。