大分県は全国平均を上回るペースで高齢化が進む。特に山間部や沿岸の小さな町では、最寄りのスーパーまで車で30分以上かかるような地域も珍しくない。車の運転を辞めたシニア層にとって、毎週決まった曜日に自宅の玄関先まで商品が届くシステムは生命線そのものだ。
単に荷物を渡すだけではない。配達担当者は「いつものおばあちゃん」の表情や声のトーンを観察し、異変があればすぐに自治体の福祉窓口や家族に連絡を入れる体制を整えている。ポストに新聞が溜まっている、電気はついているのに返事がない——そんな現場の小さな気づきが命を救ったケースは、昨年だけでも県内で何件も報告された。宅配トラックは大分のアスファルトを走りながら、福祉のセーフティネットとしても機能している。